産業廃棄物許可要件

許可の要件について

ここでは、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するにあたってクリアしなければならない要件についてご説明します。
「そもそも許可を取得する必要があるかどうか」「許可を取得したいが現状で可能なのか」といったお考えをお持ちの方もいらっしゃると思います。
例えば、自社が排出した産業廃棄物を自社の従業員が自社の車両を使い収集運搬する場合は、「自社運搬」「自ら運搬」などと呼ばれており、許可取得の必要はございません。
ですが、親会社が排出したものを子会社が収集運搬する場合は、たとえグループ内企業であっても許可が必要になります。

当事務所では、初回相談を無料で行っておりますので、許可取得の必要性や可能性について、どうぞお気軽にご相談ください。

許可取得の4要件

許可取得には大きく分けて4つの要件がございます。

①指定講習会を受講しており、試験に合格していること
②事業を継続していくうえで十分な財務基盤を有していること
③適切な運搬車両、運搬容器を有していること
④法人、役員、株主、個人事業主が欠格要件にあたらないこと
下記に、それぞれの具体的な内容をご説明します。

①指定講習会を受講しており、試験に合格していること

法人の場合は役員のうち1名、個人事業主の場合は事業主本人が受講し、合格する必要があります。これは、許可取得を考えるときに、最も早い段階でやっていただかないといけないといけません。というのも、この講習会の定員はすぐに一杯になるようで、必ずしも希望した場所や日時の講習を受けられるとは限りません。ですので、許可を急いで取得したい方は、まずは下記のリンク(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)から講習の開催場所と予約状況をご確認し、予約を入れるようにしてください。
講習は全国で開催されており、試験も共通なので、どこで受講していただいても結構です。
なお、収集運搬の新規許可の講習は2日間(特管物は3日間)、許可更新の講習は1日かかります。ですので、宿泊費や交通費の負担が問題ないという方であれば、遠方の受講地にて早めの受講も可能かと思います。

講習会の予約状況についてはコチラ → 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター

②事業を継続していくうえで十分な財務基盤を有していること

これは、業務を的確に、かつ継続的に行っていくために必要な財務基盤があるかどうかを審査されます。主に審査される点としては以下のものになります。

事業としてきちんと利益がでていること
債務超過になっていないこと

※債務超過とは、決算時の貸借対照表の資産合計よりも負債合計の方が多い状態のことです。

これらを証明するために、標準としては以下のものを申請書類に添付します。

  • 直前3年の確定申告書(法人は法人税、個人は所得税)、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表などの財務諸表一式
  • 直前3年の納税証明書(法人は法人税、個人は所得税)
    ※事業開始から3年経過しておらず、3年分の上記書類がない場合でも、理由書や収支計画書を添付することで申請することは可能です。

これらを見る限り、常に経常利益を出しており、納税できている者しか許可取得できないと思われがちですが、決してあきらめる必要はございません。
別途、追加書類として収支計画書や経理的基礎に関する申立書などの資料を作成して、審査窓口と交渉することは可能ですし、実際に無事に許可を取得された方もいらっしゃいます。ただし、自治体ごとに求める書類に違いがあり、場合によっては中小企業診断士の経営診断を受診する必要がある場合もございます。
いずれにしても、お客様が無事に許可取得できるように、当事務所が窓口となって交渉いたしますので、まずはあきらめずにご連絡をいただければと思います。

③適切な運搬車両、運搬容器を有していること

●運搬車両については車検証の写しと車両の写真を添付します。
申請者が当該車両の所有権又は使用権を有している必要があります。なお、申請者が所有者の場合は車検証の使用者欄は空白である必要があります。自治体によっては、所有者及び使用者のどちらも申請者でない場合に、車両の賃貸借契約書や使用承諾書にて権利を証明できる場合もありますが、車両に関する審査はかなり厳格ですので、所有者か使用者のどちらかが申請者であることが無難だと言えるでしょう。

●運搬容器についてはその写真を添付します。
車両の荷台の形状にもよりますが、収集運搬する産業廃棄物が飛散又は流出しないようにするために、鉄製コンテナ、ポリタンク、フレコンバッグなどが必要になります。

④法人、役員、株主、個人事業主が欠格要件にあたらないこと

●欠格要件の対象者
法人、法人の役員(取締役・監査役・相談役・顧問)・持ち株比率が5%以上の株主、政令で定める使用人

※持ち株比率が5%以上の株主とは……
直前の確定申告書の別表二の下段半分に記載されています。記載されている者のうち、株式全体の5%以上の株式を保有している者が対象となります。

●欠格要件の内容
欠格要件の対象者が、下記の内容のいずれにも該当しないことが必要です。

  1. 成年被後見人もしくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
  2. 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  3. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律、浄化槽法等に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  4. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条、第247条もしくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  5. 次に掲げる許可を取り消された場合に、その取消しの日から5年を経過しない者
    ・一般廃棄物収集運搬、処分業の許可の取消し
    ・(特別管理)産業廃棄物収集運搬、処分業の許可の取消し
    ・浄化槽法第41条第2項の許可の取消し
  6. 暴力団員等がその事業活動を支配する者
  7. 暴力団員、又は暴力団員でなくなった日から 5 年を経過しない者

【注意】
この欠格要件に該当しているかどうかについては、許可手数料を納付した後の内部審査の際に審査部門が犯罪歴等について警察機関に照会して確認するので、万が一該当者がいた場合は不許可となりますし、手数料も返還されません。また、申請時には「該当者はいません」という内容の誓約書を提出するため、虚偽の申請として扱われた場合は、その後5年間は申請ができなくなりますので、くれぐれも注意してください。

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2017/05/29

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